教授 山元 英崇 (やまもと ひでたか)
このたび、令和4年12月1日付で、岡山大学腫瘍病理学 教授を拝命いたしました山元英崇です。
当教室は、赤木忠厚名誉教授、吉野正名誉教授をはじめ、多くの諸先輩方が築き上げてこられた長い歴史と伝統があり、そのバトンを受け継がせていただきました。大学の病理学教室には診断(診療)、研究、教育、人材育成、地域医療への貢献など様々なミッションがございますが、特に以下の3点を目指して、努力して参りたいと思います。
(1)診断から研究、研究から診断へ
病理学は研究では基礎医学、診断では臨床医学という二つの側面をもっています。医学・医療の発展とともに、病理診断に求められる内容も年々、高度化していますが、正確な診断をすることで、患者さんの治療選択に貢献しています。近年では、病理検体を用いた遺伝子検査やゲノム医療が盛んになっており、病理医の役割もどんどん大きくなっています。日常の病理診断で感じた疑問や課題を解決するには、基礎研究による裏付けや検証が非常に重要です。そこで得られた知見を還元して、より客観的で付加価値の高い病理診断・分子診断や病態解明につなげていく好循環を生み出す病理学を展開していきたいと思います。
(2)多様性から生まれる価値
病理学は全身の臓器を扱いますので、多様性も大切な要素であると、私は考えています。当教室や関連部門は骨軟部・頭頸部・消化管・リンパ腫・婦人科領域など幅広い分野の専門家を有しています。ジェネラルな病理診断を土台に、サブスペシャルティの診断力を高める人がいたり、基礎研究に力点を置く人がいたりと、多様な価値観を持つ人材の総合力として、病理学を発展できればと思います。さらに病理の枠を超えて、他の基礎医学・臨床医学の教室とも連携して、医学の発展に貢献していきたいと思います。
(3)大学と地域医療の連携
地域医療におきましては、関連病院に多くの病理医を派遣させていただいておりますが、いざという時に「頼れる医局」であり続けられるよう、人材育成、情報共有、コンサルテーション、専門的な検査の受託など様々な形で支援していきたいと思います。
究極の目標は、診断や研究など仕事を通じて人を幸せにし、病理をやって良かったと仕事をする人自身も幸せを感じられる教室です。ライフワークバランスなど課題はありますが、皆で知恵を出し合ってより良い教室を作っていきたいと思います。
さいごに、病理に興味のある学生・研修医の皆さん、あるいは一緒に診断・研究を発展させたいと思ってくださる病理医の先生は是非、当教室に声をおかけください。私も初めて岡山に住むことになりましたが、食べ物の美味しさと、コンパクトな街だからこその生活のしやすさが気に入っています。一緒に岡山で病理を頑張ってくれる皆さんを歓迎します。
学歴
平成11年(1999) 九州大学医学部医学科卒業
職歴
平成11年(1999) 九州大学医学部附属病院病理部 医員(研修医)
平成13年(2001) 九州大学医学部附属病院病理部 医員
平成16年(2004) 国立病院機構九州がんセンター臨床検査部 医師
平成17年(2005) 九州大学病院病理部 助手
平成19年(2007) 九州大学病院病理部 助教
平成24年(2012) 九州大学医学研究院形態機能病理 講師
平成26年(2014) 九州大学病院病理診断科 准教授
令和4年(2022/12~) 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学(腫瘍病理)教授
留学
平成28年(2016) Harvard University, Brigham and Women’s Hospital [Dr. Jason L Hornick]
資格
医師免許
日本病理学会病理専門医
日本病理学会病理専門医研修指導医
日本病理学会認定分子病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
日本臨床細胞学会教育研修指導医
死体解剖資格
医学博士乙
学会活動等
日本病理学会 会員・研修指導医・学術評議員
分子病理専門医資格審査委員会委員
生涯教育委員会委員
固形癌HER2検査ガイダンス 唾液腺癌サブワーキンググループ委員
Pathology International Editorial Board
日本臨床細胞学会 会員、評議員
細胞診ガイドライン改訂ワーキンググループ唾液腺小委員会 委員
国際病理アカデミー(IAP)日本支部 会員
日本癌学会 会員・評議員(2023年1月~内定)
日本頭頸部癌学会 会員
日本癌治療学会 GIST診療ガイドライン改訂ワーキンググループ委員
病理診断コンサルタント
日本病理学会コンサルテーションシステム(軟部)
国立がん研究センター病理診断コンサルテーション(骨軟部)
WHO分類第5版contributor
Soft tissue and bone tumors, Head and neck tumors, Hematolymphoid tumors, Eye tumors
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